いしいしんじさん

先日読んだ、いしいしんじさんの「ぶらんこ乗り」。
とてもよかったです。
姉が「あのこ」と語る、弟である、幼い、だけど「あの世」と「この世」を知っている、ひとりのさびしさも知っている男の子の物語。
そして、これは家族の物語。


こんな風に、語ることができる、いしいしんじさん。
すごいなと思います。
私もとても強い共鳴を感じたのだけれど、
わが子たちが成長し、
この本に書かれていることがおぼろげでもわかるようになったら
絶対読ませたいと思いました。
死についてのおばあちゃんの言葉。
それは、心しておくべき言葉。


こんな風なきょうだいでいてほしいし、
両親で、母でありたい。


荒井良二さんの装丁は、いつもきれいで可愛いですね。
読み終わった後、もう一度表紙を見ると、
「あ、ローリング! あ、ゆびのおと!」と、うれしくなります。


本文中のいしいしんじさんの絵も、とっても可愛らしい。


いい本に出会いました。いい作家さんに出会いました。

ぶらんこ乗り

ぶらんこ乗り


そう思っていたら、今回のクウネルに、いしいしんじさん!!
松本に住んでいらっしゃることは、知人から聞いていて知っていました。
松本、私の生まれて育ったところ、いいところです。


「クウネル」は、武田百合子さんの「富士日記」を、
ネットのお友達・id:scotcheggさんやくいしんぼさん(http://www.kumagera.ne.jp/kuisinbo/)から教えてもらって、
読もうと思っていたら、武田百合子さんの特集のページがあったり、
松浦弥太郎さん、いいなぁと思っていたら、
松浦さんが高村光太郎さんの住んでいたところを訪れる特集があったりして、
私と「クウネル」って、なんだか偶然合うなーと以前思っていました。
最近はあんまりぴんとこなくて、あんまりしっかり読んでいなかったんですが、
また「クウネル」って、いいかもと思いました。
(げんきんな読者です。ま、読者というものは、そうですね。笑。)


「ぶらんこ乗り」のあのこは、いしいしんじさん自身。


今「トリツカレ男」を読み始めているけれど、
「ポーの話」「白の鳥と黒の鳥」も読みたい。


あ、「ぶらんこ乗り」は今は文庫版が発売中とありますね。
私が図書館で借りたハードカバーとは絵が違うんですね。
ゆびのおとは、いますよね? 今度本屋さんで見てみよう。

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

松本に仕事場を持たれ、安曇野に住んでいらっしゃるというルームシューズ作家の
藤原千鶴さんも載っていました。
以前、大橋歩さんが紹介されていて、気になっていました。(「アルネ」でしたか?)
藤原千鶴さんのルームシューズ、いい感じですね。
持たれているものも、いい感じ。
ルームシューズ、地元で手にとってみることは、できないのでしょうか。
できるといいですね。


松本の町が出ています。なんだかうれしいものです。
あがたの森の建物。知っているパン屋さん。映画館!
閉館してしまった映画館。私もよく行きました。「アメリ」を観たのが最後でした。


今回のクウネル、さっと見た感じ、好きな感じです。
ゆっくり読みます。

ku:nel (クウネル) 2005年 09月号 Vol.15

ku:nel (クウネル) 2005年 09月号 Vol.15


ポーの話
白の鳥と黒の鳥
トリツカレ男