松谷みよ子さんの「アカネちゃんの涙の海」を読み終わりました。
モモちゃんとアカネちゃんシリーズ、一気に読んだのですが、読んで本当によかった。このお話を知らないままでなくて、よかったと思いました。
先日も書きましたが、私は少し前に「小説・捨てていく話」を先に読んだので、このモモちゃんとアカネちゃんのお話は、そのまま、ママである松谷みよ子さんと二人の娘さんとオオカミのパパの物語として読んでいました。
あとがきを読んで知ったのですが、モモちゃんという主人公が初めて登場したお話「三つになったモモ」が1961年に書かれて、最後の「アカネちゃんの涙の海」は1992年に出版されたそうで、30年くらいかかって完結したんだそうです。
松谷みよこさんがご自身で「大河童話」とおっしゃられてます。
それだけ時間が必要だった物語だということだと思います。
離婚を書くこと、死を書くこと、それは辛い作業であられたと思います。
でも、二人の娘さんに、そして読者である多くの子供達に真摯に向き合って書かれた物語です。
松谷みよ子さんってすばらしい。
こどもの頃に読まなかったけれど、大人になって、母になって、この物語に出会えてよかったと思います。
中谷千代子さんの絵の「モモちゃん」の絵本が大好きで、そうして「小説・捨てていく話」を読んで、童話「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズを読んでと、少しめずらしい出会い方かもしれませんが、本でも会うべきものとは、めぐりめぐって会うんだと思います。
完結までに時間がかかっているから、最初の頃のモモちゃんとアカネちゃんを読んでいても、最後の「アカネちゃんの涙の海」は読んでいない方も多いかもしれません。そういう方に読んでほしいです。
この物語は、特にこの文庫版は、大人に読んでほしい本だと思います。
ちいさいモモちゃん (講談社文庫) モモちゃんとアカネちゃん (講談社文庫) アカネちゃんの涙の海 (講談社文庫)
酒井駒子さんの絵もとっても素敵です。